床暖房のありがたみが身に染みる冬。新築物件ではすでに標準装備であることも珍しくないようですが、リフォームで後付けでも設置が可能です。マンション・戸建てを選ぶことなく、設置ができます。早速、費用と押さえておきたい注意点を見ていきます。
すぐ検討したい、人気のある床暖房リフォーム
静かにじわりと足元から温めてくれる床暖房は、冷えに悩む方にとっての救世主のような暖房器具です。足元まで温まりにくいエアコンと併用するケースも多いのですが、床暖房だけでも部屋全体は暖かくなる上、エアコンのように風が当たるわけではないため、人気が高いことも納得できます。もし、まだ床暖房を導入していないなら、すぐ検討してみましょう。
床暖房の種類・工期・費用
床暖房の種類は2種類、工法も2種類あります。
種類 | メリット | デメリット |
電熱式 |
●電熱線の通ったパネルを床下に設置するだけのシンプルな工事
●メンテナンスは基本的に不要 ●外出が長い場合、部分的な使用の場合など、使用時間が短い場合向き ●「※PTCヒーター式」「※電熱線ヒーター式」がある ●イニシャルコスト安 |
●暖まるまで時間がかかる
●暖かさにムラが出る ●ランニングコスト高 ●接触面が44~45℃になる場合があり、長時間触れると低温火傷の可能性有 ●工期が短い |
温水式 |
●床敷いた専用パネルにお湯を循環させるため、すぐ暖まる
●ランニングコスト安 ●在宅が長い場合、広い部屋に使用する場合向き ●「電気」「ガス」がある ●接触面が40℃ほどまでしか上がらないため、低温火傷の可能性無 |
●電熱式より工期がかかる
●イニシャルコスト高 ●熱源機は10年、温水パイプは30年に一回のメンテナンスが必要 |
※「PTCヒーター式」は、床に温度センサー機能があり、自動温度調節をします。
「電熱線ヒーター式」は、従来のタイプで、温度調節機能はありません。
施工方法 | 特徴 | 工期 | 費用 |
直張り | 既存の床の上に重ね張りで設置 | 1~2日 | 約5~ 8万円/畳 |
全面張替え | 床をはがし、床暖房を設置 | 1~7日 | 約8~11万円/畳 |
温水式で熱源機設置の場合、費用は別途約20~100万円必要
リフォーム前の注意点
マンションでは、「管理規約」があるため、床の張替えができない場合があります。
戸建てでは、屋外に熱電機の設置スペースがあるかの確認が必要な場合があります。
共通事項として、電気容量の確認が必要な場合や床暖房の直張りができない場合があります。
設置場所を効率よく暖める基準は、敷設率が60~70%あればいいといわれます。場合によっては、50%ということもあります。
床材と床暖房の相性があり、熱に弱いクッションフロアやコルクは変形しやすくなります。耐熱性と熱伝導の良さは、妥協できないところです。どの床材が適しているのかの確認は大事になります。
意外と見落とされているのが、建物の断熱のことです。いくら床暖房をしたとしても、全体の断熱性が低いと冷える原因の解消にはなりません。予算が可能なら、断熱リフォームも検討してはいかがでしょう。床暖房とのまとめたリフォームで、コストダウンにつながる可能性があります。
リフォーム後の注意点
直張りの施工方法では、床暖房のある場所とない場所にほんの少しですが、12~18mmほどの段差ができます。たとえ、わずかだとしても、小さな子どもや高齢者にとってはつまずく原因となるため、要注意です。
重たい家具の置き方にも注意が必要です。どの程度の家具が置けるのか確認しましょう。
いずれの注意点も、リフォーム業者との打ち合わせを綿密にすることで解決されます。
よく話し合いを持つようにしましょう。