長年住んでいる家。小規模なリフォームでは対応できなくなったり、ライフスタイルの変化で暮らしにくくなったりした場合など、リノベーションで間取り変更を余儀なくされる可能性も出てきます。どんな場合に費用はいくらかかりそうなのか、見当をつけておきませんか。
戸建てのリノベーションで間取り変更を考える場合
戸建てを構えると、多くは何十年と定住することになるでしょう。家族の構成が変わったり、暮らしの事情が変わったりなど、長い年月の間に大きな変化が訪れた時は、リノベーションをするいい機会かもしれません。大きな変化のリノベーションとして、間取りを変える場合を考えてみます。
間取り変更を考える場合
よくある家庭の事情での間取り変更の例を取り上げます。
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家族が増えた
子どもが予想より多くなり、子供部屋の仕切り壁の設置や増設が必要になった場合
親と同居する場合
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家族が減った
子どもの独立や親の他界で、部屋が余ってしまった場合
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介助や介護
高齢になった親の介助や介護が必要になり、部屋の改修が必要になった場合
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ライフスタイルが変わった
仕事や趣味などで暮らしが変わり、部屋の大きさや水回りの配線を変えたい場合
戸建ての間取り変更、どこにいくら費用がかかる?
戸建てをリノベーションして間取り変更しようとすると、約20坪で約500~800万円はかかると考えましょう。具体的な個別工事の費用目安としては、以下のようになります。
間取り変更の個別工事 | 費用相場 |
仕切り壁の設置 | 約 5 ~ 25万円 |
壁の撤去・補修 | 約15 ~ 30万円 |
6畳部屋の連結と壁紙・床材の張り替え | 約 35 ~ 150万円 |
D・K・Lの連結と壁紙・床材の張り替え | 約165 ~ 400万円 |
水回りの変更と床材の張り替え | 約200 ~ 500万円 |
※建物の構造でも違いがあり、木造より鉄骨造・鉄筋コンクリート造のほうが費用はかかります。
費用が加算されそうな場合の注意ポイント
- 元の柱や壁などの枠組みに大幅な補強工事が必要になった場合など、仮に補助金利用の可能性があるとしても、想定外の工事が出てきた時に予算オーバーになることが考えられます。
- 間取り変更は、大規模な工事になるため、住みながらの工事は考えにくく、別の場補での一時的な仮住まいが必要になります。
間取り変更でコストダウンするコツは?
結論をいえば、設備の元の位置を移動、構造を変える撤去などは周辺工事も必要になるため、費用がかかってしまいます。
最も費用が高くなりそうなのが水回りの設備移動になります。給排水管や電気配線、防水工事から必要になるからです。階段の位置や段数の変更なども手間がかかり、費用を上げる要因になります。できれば、位置変えはせず、設備だけ新しくすれば、コストを安くあげることができます。人件費の節約になるような、工期短縮ができる設計もおすすめです。
他にも、補助金制度が利用できそうであれば、大いに活用しましょう。
戸建てのリノベーション、間取り変更でできないこと
木造で2×4工法、プレハブ工法の場合
どちらも、壁・床・天井を「面」で支える工法です。耐力壁を壊すことはできないため、希望の間取り変更が難しい場合があります。
法律の制限がある場合
増築を希望する場合は特に関係しますが、土地が自由になる戸建てだとしても、都市計画法・建築基準法で容積率・建ぺい率の上限が決まっています。景観法で建物の高さや色が制限されることもあります。
枠組みを変えること
家が成り立っている構造があるため、基本の枠組みはそのままでの間取り変更を検討することになります。リノベーション業者とよく相談しながら進めましょう。